ブルーベリー農園訪問記 〜 南阿蘇・蘇陽町 〜 (09/07/00)

南阿蘇、蘇陽町のブルーベリー農園見学記です。素人の自分には目からウロコの体験でした。

農園初見学です
かねてから本格的なブルーベリー農園を見学させて頂く機会がないものかと考えてましたが、それが実現しました。それも全国3位のブルーベリー生産量を誇ると言われる熊本県のブルーベリー栽培の中心地、南阿蘇の蘇陽町です。さらにはその蘇陽町の中でもブルーベリー栽培のルーツ的な農園をじっくり見学させて頂けました。
蘇陽町では現在50戸ほどがブルーベリー農園・摘み取り園を営まれているようですが、今回訪問させていただのはのんたさんの農園です。あまり時間のとれなかったスケジュールの中、とても親切に案内してくださったのんたさん、そしてブルーベリーの栽培について語ってくださったお父様にはほんとうに感謝・感謝です。ありがとうございました。

写真は農園の全景。上がハイブッシュ系品種の畑。下がラビットアイ系品種の畑です。蘇陽町は本州での八ヶ岳・清里といった感じで、夏も涼しく、冬は雪が降るそうで、ハイブッシュ系の品種も元気に育っていました。説明を聞いたところ、ハイブッシュ系品種は主に生果出荷または摘み取り向け。ラビットアイ系品種は加工食品向けとのことでした。
伺った時(9月7日)はハイブッシュ系の収穫は終わり、ラビットアイ系の収穫後半といったところです。




17年生の成木にビックリ




まず農園を見てビックリしたのは、17年生の成木の見事さです。今まで4〜5年生程度のブルーベリーの株しか見たことがなかった者にとってはカルチャー・ショックです。どの株も背丈を上回る高さで、株の大きさも直径3mに迫ろうという広がりを見せています。
上の農園全体の写真ではスケール感が判り難いですが、人が農園内に入っていても、目の高さでは人がいることが判らないほどの樹高です。実際には大迫力の株の大きさなのですが、それが表現できず残念です。

左の写真は、上から順に、バークレー、ブルークロップ、ホームペルの成木です。ラビットアイ系のホームペルは特に樹勢が強そうで大きく枝を展開していました。収穫の為に樹の高さを2m半には届かない程度に抑えているそうですが、剪定無しに育てたら柿の木のような大きさになるのではないかと思えてしまいます。
それぞれの木の太さは一番下の写真のとおり見事なものです。大人の腕ほどもある木が地面からニョキニョキはえてます。写真に細く写っているシュートは、細いものかと錯覚しますが、これらのシュート自体1cmを超えるような太さです。ただただ驚き、唖然です。今まで親指程度の太さに育った木を「普通」と思ってたのは大間違いで、それらは小中学生クラスの株ということがよ〜く判りました。

栽培品種は、ハイブッシュ系がブルークロップ、バークレー、ダロー、スパルタン、アーリーブルー、などなど。ラビットアイ系はホームペルとティフブルーが主体とのことでした。各品種は異品種との受粉を考慮し、それぞれ一畝ごと交互に植えられています。上のラビットアイ系の農園の写真で白っぽく見える畝と鮮やかな緑の畝が見分けられるかと思います。前者がティフブルーの畝で、後者がホームベルの畝です。

管理は、剪定、マルチの追加、渇水期の水やり、とのお話で、剪定以外は特に気を使われている様子ではありませんでした。剪定に関しては、地上部(枝)の展開と地下部(根)の展開のバランスをとり、むやみに地上部を徒長させないことに注意を払われているようです。このあたりがプロの管理ノウハウなのでしょう。関心しつつ、窒素肥料のやりすぎで徒長ぎみの我が家の株にゴメンナサイ、反省です。


実はまさに房成り
まだ残っていたティフブルーの実の状況です。すさまじい勢いで実をつけていましたが、既にかなり収穫した後とのことです。これだけ実をつけてくれるなら、「1家に1本ブルーベリー」、欲を言っても「収穫時期を変えての2〜3本」で十分以上の収穫が得られそうです。
完熟前のティフブルーの実は、写真のように真っ赤で名前どおりウサギの目のようです。我が家の150cmばかりのティフブルーではこのような色は認められず、成木にならないと本当の特質は現さないのかと疑問が増えました。葉の形状と実の味(失敬してしまいました)は我が家のティブルーと一緒ではあったのですが・・・。
最後に、書き忘れそうになりましたが、収穫の終わったハイブッシュ系の株には、しっかりと来年の花芽がついていました。来年もすごい量の収穫になるのは間違い無しのようです。

今回訪問での自分へのメモ
  1. 徒長厳禁!
  2. 地下をイメージ!
  3. 繁茂した枝はバッサリ!
  4. 焦らずじっくり!
  5. 薬品注意!
こんなところに注意して、自分でもブルーベリーの巨木を育ててみたいと思います。


今回お世話になったのんたさんはご自身でもホームページを作られて、ブルーベリーについて紹介されています。「のんた の ホームページ」を訪ねてみてください。また、お近くの方は、シーズンにのんたさんのブルーベリーを味わってみてはいかがでしょうか。