環境、幼/成木による特性の違い (02/22/01)

冬2月に観察された同じ品種での特性の違いをまとめました。環境、幼/成木で特性が違ってきますので注意が必要そうです。

同じ品種でも特性に大きな違いが
育てているブルーベリーの中に4〜5年生の成木になるものが出てきたこと、また、挿し木苗が作れたことで、同じ品種でも育てる環境と、幼木か成木かで特性に大きな違いが出ることが見え始めました。
この冬の時期(2月)に、特に大きく特性の違いが見えていますので、それをまとめておこうと思います。

露地植えと鉢植えの違い

露地植え株

鉢植え株
左と右の株は同じ品種とは思えないかもしれませんが、共に3年以上育てている Woodard です。それも昨年の秋までは隣同士で露地植えされていたものです。それを両方同時期に掘り上げ、一方は再び露地植えし、もう一方は30cm径のプラポットに植えたものです。
鉢植えの株は殆ど落葉しているのに対して、露地植えの株は落葉せず緑の葉まで残しています。
この差は、鉢植えの方が寒暖の差を受け易いことによるものだと想像されます。紅葉/落葉に関しては、育てる地域の気候差もありますが、このように育てる環境によっても大差が現れ、難しさを感じるところです。

幼木と成木の違い - 1

5年生露地植え株

昨年夏挿し苗
これは幼木と成木というよりは、挿し木苗で観察される特殊生理の例です。
共に品種は、Homebell で、右の花を咲かせている株は左の株から昨年夏に緑枝挿しした苗です。
成木の露地植え株では、写真のような花芽を株全体均一につけている状況ですが、挿し木苗の何割かは花芽を展開し始めるか、中には写真のように2月というのに花を咲かせているものがあります。
このような状況を見ると、子苗の開花〜結実時期は、成木のそれとは違っていると疑った方が良いかもしれません。

幼木と成木の違い - 2

4年生露地植え株

昨年夏挿し苗
これも幼木と成木で違いの出ている例です。
品種は Tifblue で、右の葉をつけている株は左の株から昨年夏に緑枝挿しした苗です。
成木の露地植え株では、写真のように完全に落葉していますが、挿し木苗ではその殆ど全てが葉を付けたままです。また、挿し木苗ではゆっくりですが新葉を展開し続けているものもあります。
上の Homebell の開花の例とあわせて、子苗と成木では特性が大きくずれるので注意が必要そうです。

品種特性の見極めには注意が必要
いくつか例を紹介しましたが、いずれも育てている環境は均一です。それぞれ5mと離れていない場所で、全くの露天で管理しているものです。
ここであげた以外にもいろいろと違いがありそうで、ブルーベリーの各品種の特性を見極めるには、成木での長期の観察が必要そうです。
また、最初の例のように少しの寒暖の差でも落葉/紅葉の具合が大きく違ってきますので、栽培する地域によっても現れる特性は大きく異なってくるものと思います。この辺りがブルーベリーを育てる上での楽しみでもあり、品種選択の難しさでもあります。

なお、このホームページでも我が家で育てているブルーベリーの特性を記していますが、現時点(2001年2月)では幼木が殆どなので、あまり当てにはできないものと思って見てください。