家庭でのブルーベリーの育て方


一般家庭での数本の地植え栽培、また、鉢植え栽培についてまとめています。

接ぎ木による増殖

接ぎ木の時期
休眠枝挿しと同じ時期(春の芽吹き時期前)と言われていますが、接ぎ穂が固まっていれば(成長期で伸びたばかりの枝で柔らかいもの以外)、いつでもOKではないかと思います。
自分で試したところでは、11月に接いだものが翌春元気に成長してきました。
春の芽吹き時期前が、成功率が最も高いのかもしれませんが、あまり気にせず、試してみると良いと思います。

接ぎ木の方法
いろんな接ぎ木の方法があり、どれが Best というところまで漕ぎ着けていませんが、とりあえず以下の方法では接ぎ木成功しました。



  1. 台木の調整
    適当な位置で台木をカット。直径方向 1/3 〜 1/4 ぐらいの場所に、縦方向の切り込みを入れます。
    台木のカット位置は、その下に枝を出しそうな芽が無い方が良いです。また、切り込みは、カッター等の鋭利な刃物で切断面が荒れないように入れます。

  2. 接ぎ穂の調整
    長さ等は挿し穂の調整の要領でOKです。接ぎ木箇所の調整は、2cmぐらいの長さに2面をカットし、先が尖った状態(マイナスドライバーのような形状)にします。

  3. 接ぎ穂のセット
    台木の切り込みに接ぎ穂を差込みます。
    この時、接ぎ穂を台木の縁に寄せて、お互いの形成層が合わさるようにします。

  4. 仕上げ
    接ぎ木テープ(専用のものが園芸店で売られています)を下から上に巻き、接ぎ木部分に水が入らないようにします。

これで、とりあえず接ぎ木のセットは完了。
後は、接ぎ穂から新芽が展開し、接ぎ穂と台木の間にカルスが形成されて、しっかりと融合するのを待ちます。

しっかりと融合したら接ぎ木テープを外します。


接ぎ木のポイント
非常に少ない経験ですが、とりあえず以下がポイントかと思います。

  • 接ぎ穂と台木の切断面をできるだけピッタリと合わせる。
  • 台木の調整、接ぎ穂の調整、接ぎ木セットは、手早く。切断面ができるだけ新鮮な状態で接ぎ木を完了させる。
  • 接ぎ木後は、台木からのシュート/サッカーに注意し、発見したら即時かき取る。
  • 接ぎ木した部分が融合した後も、支柱等で接ぎ穂部分を支えること。
    一見、融合したように見えても接いだ部分は弱いです。(Sevenはこれで失敗しました・・・。)


その他、ブルーベリーの接ぎ木について
樹勢が強く、土質を選ばないホームペル等を台木にし、気難しい類の品種を接ぎ木することは有意義と思います。
しかしながら、一般果樹と違って シュート/サッカーをばりばり発生させるブルーベリーでは、接ぎ木後の管理が大変で、一般的にお薦めとは言えないような感想です。
樹勢が強い品種を台木にしているため、少しでも観察を怠ると、台木からシュート/サッカーがニョキっと伸びていたりします。
シュート/サッカーの管理に勤しむか、良い土作りに勤しんで気難しい品種をそのままで栽培するか、選択が難しいところです・・・。
まぁ、このあたりの問題が、ブルーベリーの接ぎ木苗が一般に流通しない所以と思います。
接ぎ木は完全趣味レベルではないでしょうか。


Homebell を台木にして Spartan を接ぎ木


接ぎ穂から新芽が展開

接ぎ穂と台木の融合部分